テレビ朝日御中

テレビ朝日御中

 

テレビを拝見していて、気になったことがあったのでお伝えさせていただきます。

 

毎週火曜日21時より放送中の「そんなコト考えた事なかったクイズ!トリニクって何の肉⁈」というクソ番組についてです。

 

この番組は、主に「昭和生まれ」が出題する常識にも近いようなクイズに「平成生まれ」が非常識という役割を背負わされた上で“非常識回答”を連発し、それに対し、「昭和生まれ」の出演者が馬鹿にする形を取る「お下劣マウントバラエティーです。

こういう番組を制作される方々の方がよっぽど“非常識”的考えであると私は思います。

 

そもそも「平成世代」を育成した「昭和世代」の能力不足でしょう。

ゆとり世代論議についても同様のことが言えると思います。

昭和世代の詰め込み教育の揺り戻しで、平成世代には「ゆとり」ある教育を受けさせたいという「昭和世代」の要望だったのではないでしょうか。

それをあなた方が育成に失敗したからと言って、「これだからゆとり世代はー」というのはお門違いというしかありません。

 

まず、私は、平成生まれでして、平成生まれと一括りにされ馬鹿にされることに快い気持ちは抱きません。不快ですし、カテゴライズされ、馬鹿にされることの愚かさは今までの歴史が示してきている通りです。

黒人差別やアジア人差別、士農工商カースト制、魔女狩りなど、一括りにし、十把一絡げにし、同じイメージを植え付ける。

時には、プロパガンダ政策の1つとして利用してきさえもしたが、その施策が上手く行った試しを私は見たことがありません。

 

そもそも私が大のテレビっ子で、テレビ無しに生きていけなかったほどでした。

東日本大震災の直後は、緊急性の高い報道内容がテレビを通して、全チャンネルで届けられ、バラエティー番組の復活を首を長くして待っていたくらいです。

もちろん、私とは比にはならないほどの悲しみやつらさを経験された方ばかりでしょうが、テレビの内容が日常に戻ることで私の日常性も再び訪れました。それほどテレビが日常生活の中に息づいていたということです。

 

最近では仕事も忙しくなりなかなかテレビを見る機会も減りましたが、このコロナ禍において、自宅での時間が増え、本日初めて上記の番組を目にして、唖然としました。

あまりに馬鹿にしているその内容に。

 

私の知り合いにもテレビマンの方もおり、非常に才覚に溢れており、優秀な方がたくさんおられる世界だと存じ上げております。

しかし、この番組に関しては看過できません。

 

この番組に巣食う悪循環について説明しておきたいと思います。

まず、若者のテレビ離れを助長するきっかけにしかなり得ないということ。

昨今のネット環境の充実により、若者・若年世代はテレビよりもインターネット上より情報を得る機会が増えています。

即時性やユビキタス性など、理由は多層的にいくつもあるとは思いますが、「テレビコンテンツの凋落」ということは理由の1つにあると思います。

これはむしろ、テレビ業界の人が自覚して欲しい点です。

なぜならば、テレビの日本全国に張り巡らされたネットワークや報道のシステムは、簡単には変えがたいほど膨れ上がり、ビッグメディアと呼ばれるまでになりました。むしろ問題はそこではなく、やはりテレビ業界に変えられるのは、その内容です。

私は教育機関で勤務していた経験がありますが、テレビの取材はあっても、YouTubeの取材はありませんでした。

それは信用の差だと考えております。

テレビには、ビッグメディアという名を冠するほどの「信用」がこの日本には築かれているのだと感じます。

故に圧倒的なアドバンテージはあるはずなのです。

私は一時代から急にテレビ番組の方向性が変わったことを感じました。

それは「クイズ番組」の増加です。

ある一時を境に「クイズ番組」が急増したのです。

クイズ番組は、製作費が安いからです。

まず、クイズの制作者へのギャラを払い、出演者・司会へのギャラを払い、ロケにも行かないので、その辺のお金を掛からない。

非常に安価に番組を制作することができます。

これはむしろ制作者側ではなくスポンサーや広告代理店に問題があるのかもしれませんが、それでもテレビを応援するからこそ、ここは何とか踏ん張って欲しかったところです。

 

こうしてテレビはつまらなくなった。

だって、おバカアイドルやおバカタレントを演出に使い、アホな発言を引き出す。

大学進学率が高まり、6割近くの若者が大学進学する時代になって、そんなアホな発言を見る時間は、バカが移るので無駄です。

そして、その発言のほとんどが演出であることに気づき始めます。

故に本当の情報を得たいとネットに流れていくことになるのです。

 

今では、テレビを見るメインのステークホルダーは、40代以上の「昭和世代」でしょう。

今のテレビは若者のテレビ離れを無視し、「昭和生まれ」に阿って、視聴率が稼げればいいのでしょう。

選挙と一緒ですね。若者は少子化で少ないから、投票率が低く、故に若者への政策より、高齢者への政策の方が得票に起因し、それでさらに若者への施策が蔑ろにされ、子どもを出産しなくなり、投票率が下がり、この繰り返し。

 

「日本のテレビ」は、日本少子化の象徴と言っても過言ではないかもしれませんね。

 

上記のような番組がますます若者のテレビ離れを招くでしょう。

「昭和世代」がいなくなったらどうなりますか。

テレビへの不信を抱いた「平成世代」がテレビを見なくなりますよ。

 

テレビの暗い未来しか私には見えません。そんな番組でした。